Phantom.3 第四試合 葛西 & 行徳 vs ヤマプロ & ツチグモ

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一瞬の丸め込みにより、行徳はフォールされてしまった。

 

かなり攻勢ではあったはずだが、巧みなタッチワークに翻弄され、ファントム・ヤマプロの撹乱により隙が生まれ、そこをツチグモに狙われた形となった。

 

呆然とする葛西琢磨行徳恭二

そこへおもむろに穴倉兄弟が現れた。

兄、想の手にはマイクが握られている。

 

「ハハハッ、おい行徳!情けない結果じゃないか。お前、俺の事を笑っているんだろう?今度は俺が笑ってやるよ。丸め込まれて負けだなんて、なぁ?お前のシュートは鈍ったかな?まあ、それも仕方ねぇよ。そんなよ、なあなあで試合してたんじゃよ、そうもなるよな。どうだ?これで現実が分かっただろ?お前の牙は磨き直さなきゃならねぇ。行徳、昔みたいに鍛練してよ、もう一度磨き直そうじゃねぇか。」

 

そこへ葛西が割って入る。

 

「おい!待て待て!テキトーな事を言うんじゃねぇ。試合見てたのか?今日負けたのはよ、相手が強かったんだ。あの人達の技に隙を突かれたんだ。俺達は反省して鍛え直さなきゃならねぇ。しかしよ、お前達はそんな事言える立場なのか?お前達はこのリングでまだ戦ってないだろ。そんな偉そうな事はよ、まずは実力を示してからだろ?俺達と戦え!その口を黙らせてやる。なあ行徳、何とか言ってやれ!」

 

しかし、行徳は穴倉兄弟に歩み寄り、踵を返す。

どよめく会場に、両手を広げて煽る穴倉瞬

穴倉想は馴れ馴れしく行徳の肩に腕を回す。

 

「まあ、そういうことだそうだ。まあ次、あるんなら戦ってもいい。俺達三人で相手しようじゃないか。真のシュートスタイルを見せてやろうか。」

 

そう言い残すと、行徳と穴倉兄弟は、花道から引き揚げていった。

ひとりとなった葛西は、しばらくリングに立ち尽くしていた。