越冬燕一郎は技を外された後、しばらく呆然としていた。
内城信敏の攻撃には隙がない。
次々と途切れることなく技が出てくる。
反撃の機会も与えてもらえなかった。
止まらない攻撃に会場も大変な盛り上がりだ。
こういうのを機能美というのだろうか。
あんなに格好良いスタイルがあったなんて。
24-my-showの攻撃は変幻自在だ。
次々と予想外の技が飛び出してくる。
反撃してもいつの間にか返されていた。
意外性のある攻撃に会場は狂喜乱舞している。
まさしく先鋭的なアートと言って良いだろう。
あんなに格好良いスタイルがあったなんて。
自分はどうだろう?基本は大事だと教えられてきた。
基本だけで試合運びができるようになれと教わった。
先輩の技を受けて学べ、修行は長い道のりだと聞いた。
じゃあこの人達は何なんだ?こんなに輝いてるじゃないか。
力があれば、それを見せつけたならトップになれるじゃないか。
この人達だって若いんだ。俺は、どうするんだ?