Phantom.5 第三試合 グレート・白斗 桃 vs レベッカ・トンプソン

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「マジかよ……」

「すげぇな……」

 

グレート・白斗桃はピクリとも動かない。

会場は騒然となっていた。

 

レベッカ・トンプソンは、リングサイドのファントム・ヤマプロに怒鳴り散らしている。

 

「だから言ったんだ!私はちゃんと忠告したからな!」

 

ファントム・ヤマプロは腕を組んでいるだけである。

レベッカは大きくロープを蹴り上げた。

 

やがて担架が運ばれてきた。桃は担架に乗せられている。

会場の意識は担架に集中しており、静まり返っている。

 

その時、桃は腕を上げた。

 

気絶していたせいか、その腕は力無いように見える。

しかし、腕はいつまでも降ろされることは無かった。

 

会場からは惜しみ無い拍手が桃に送られていた。

 

「よく頑張ったな!」

「また頑張れよー!」

「こんなもんじゃないぞー!」

「俺達期待してるからなー!」

 

数々の声援に応えるかの如く、桃の拳は握られていた。

それを見たファントム・ヤマプロは口を開く。

 

レベッカ。どうです?もう一戦、彼女とやりませんか?

桃の気持ちは折れちゃいない。次はもっと強くなって戻ってきます。

キンバリーと組んで、桃とひばりの二人とのタッグ戦です。

桃の覚悟は決まってました。貴方の覚悟はどうなのですか?」

 

「全く、もう一度やらせようなんてとんでもない奴だね。

私の覚悟が決まってるかだって?私は輝くって決めたんだ。

こうなったらどんな相手でも、何回でも壊してやるよ!」

 

意識を失っても心は折れない。

相手を壊しても心は折れない。

 

観客の声援が二人に力を与える。

二人の覚悟は既に決まっていた。