ライバルにして親友

合同練習を終え、グレート・白斗桃はめいいっぱいかいた汗を拭いていた。

 

「やっぱり体操選手って凄いね!私にはあんな動き、とてもできないよ!」

 

そう言われ、ひばりは少し誇らしげである。

 

「ま、まあね!正直私は大した選手じゃなかったけど、クラブから入って部活も真面目にやってきたし、少しはできてないと恥ずかしいから。まあ、あんたもなかなかやるんじゃない?パルクールなんてよく知らなかったけど、あんなの街中でやるなんて怖過ぎる。あんたよっぽどキモが据わってるわ。」

 

「えー、そうかなー。怪我とかはするけどそんな怖くはないよ。ノリでいっちゃおって感じでいけば、ひばりちゃんなら私よりできちゃうかも!」

 

「えへへ、そうかなーって、そんなことより!私達の脅威はあの外人組、キンバリーとレベッカでしょ!今はあいつらを倒す作戦を考えないと。」

 

「そっ、そうだね!でもさっきの私達の連携、なかなか良かったよね?これならあの二人もバーンってぶったおせるんじゃないかなー?」

 

「いやいや、ダメでしょ?確かに連携はできてた。私達、案外相性良いかもね。でもね……」

 

「あ!やっぱりそう思った?私達って相性良いと思うんだよねー。これはもう仲良しさんだね!私達ってきっと親友になれると思う!」

 

「待ってって!あんたこの前レベッカに失神させられたの忘れた?キンバリーもだけど、あいつら私達と体格が違いすぎる。あれを崩すための秘策が私達には必要なのよ。」

 

「そっかー、そうだよねー……じゃあさ!私がまずバーンってやるから、そこにひばりちゃんがダーンってやってさ、怯んだところを二人揃ってバゴーンって感じでいくの。これってかなり完璧なんじゃないかなー」

 

「そっかーなるほどねー、ってオイ!それどういうことか全然わかんないんだけど!」

 

「え?そお?そこはノリだよー!ダッパーンって感じでさ!」

 

「この子、大丈夫なんだろか……」

 

作戦を練るものの、意思疏通が全然うまくいかない二人。

最終的には身体を動かし始めて、ニュアンスを確かめ合う。

 

言うより慣れろ。

身体で覚えるのが一番早いんだよ。

 

二人の師匠の口癖であった。