グレート・白斗桃とひばりは、スピーディーなタッチワークで外国人コンビの攻略を試みる。
しかし、キンバリーとレベッカもアメリカでタッグを組んでいた経験がある。決して急造タッグなどではない。
ダイビングショルダーアタックとジャーマンスープレックスの合体技を繰り出すなど、息はぴったりだ。
それでも両タッグの力は拮抗しているように見えた。
三人でキャメルクラッチを掛け合う場面も見られた。
激戦に観客も大い盛り上がる中、拮抗を破ったのはキンバリーのジャーマンスープレックスであった。
無造作に投げ捨て、危険な角度で落としていく。受け身を取れていたかは怪しい所だ。
動きの悪くなった桃を捕まえたレベッカは、渾身のエレファントボムを敢行。
桃は、返すことができなかった。
レベッカとキンバリーはセコンドにいたファントム・ヤマプロに怒鳴り散らす。
「これで決着ついたでしょ!?もうこのリングに私達の敵になる相手はいない。どっか他から連れてきなさいよ!私達の相手に見合う、実績のある相手をね!」
しかし、それを後ろから制するようにマイクを掴んだグレート・白斗桃。
「待って下さい!
……確かに私達はいま負けました。
でも、今度は失神なんてしてないよ。
あともうちょっと、惜しかったんだけどなー。
ねえ、もう一回やろうよ。次は行けると思うんだ。
私達の成長に賭けてみませんか?きっと面白いからさ。」
ファントム・ヤマプロは通訳をしている。
「ダメよ。貴方は私達に合わせて三度も負けてるのよ。
何かアイディアでもない限り、私達がやる意味なんてないわ。」
「では3vs3というのはどうです?」
ここでファントム・ヤマプロが割って入る。
「人を増やすことで新しい刺激もありますし、戦い方に気を付けないと、実力があっても三人掛かりで潰される可能性もあります。なかなか面白い試合形式なんですよ。」
「ふーん。まあ、もう一度くらいなら付き合ってもいいわ。私達は負けないから、どうしたって次が最後だけどね。私達は、この前来てたJ・Dでいいかしら。貴方達は大丈夫なの?」
「あたしが出るよ。」
もう一人、セコンドに控えていたラビット司がリングに入ってきた。
「貴方が出るって?年寄りは引っ込んで……」
そう言いかけたキンバリーの背後にラビット司は素早く回り込むと、バックドロップで一気に投げ捨てた!
咄嗟のことで受け身を取り損ねたのか、キンバリーは首を押さえてのたうち回っている。
「ごちゃごちゃ言ってんじゃないよ!戦いはもう始まってんだ!」
臨戦態勢の司に驚いたレベッカは、キンバリーを抱えてリングを引き揚げていく。まるで敗者であるかのように。
ここにヤマプロ女子選手達の最終決戦が決まったのであった。