習志野奏は最後までエンジンがかからない。
24-my-showの技でも止まらなかった。
内城信敏は完全に打ちのめされている。
2mを越える巨人、CPOに力一杯叩き付けられたのだ。
ダメージが深刻なのは必然であった。デカいに説明はいらない。
ジョン・マクダニエルはアメリカンプロレスの象徴である。
ジャスティス・エルボーを食らって無事でいられるわけがない。
有り余る力で圧倒してみせたのはスタンリー・ジョーンズだ。
その苛烈な様を、人間火力発電所とはよく言ったものである。
この屈強な大型外国人を淀みなく操ってみせた男がいる。
その指示は的確で、どんな綻びもみせることはない。
どんな隙も見逃さず、隙が無ければ自らで作り出す。
頭脳派、という言葉では表現しきれない狡猾さ。
強力な選手達を束ねる、ラーク・カンパニーの総帥。
全ての技を受け切り、勝利をかっさらう勝負師。
トップヒールとして君臨し続けている最高峰。
まさかのヤマプロのリングへ参戦したその男。
その名も、P・K・ラーク。
世界規模の男が日本初上陸を果たした真意とは?
彼の登場だけでメディアを席巻することになった。
P・K・ラークはニヤニヤと笑っている。
全ての混沌が始まろうとしているのだ。
ファントム・ヤマプロは覚悟していた。
ヤマプロの終わりと始まりが訪れるのだと。