Phantom.6 メインイベント 信道 進 vs 長谷川 修二

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自分のペースに持ち込んでいたつもりだった。

あの粘りは何だ?いや、粘りというか、受け切られたのか。

そこからの巻き返し、あそこからが本気だったのか。

 

俺はあの畳み掛けに耐えることができなかった。

今日の信道さんに遠慮は無かった。全力の怪物だった。

 

負けたのは悔しいが、清々しさがある。

全身に痛みはあるが、むしろ心地好い。

 

最近の信道さんは精彩を欠いていた。

強いままであったが、怖さが無くなっていた。

 

衰えたのかと、心が弱ったのかと思っていた。

習志野奏との一戦はまさにそれだった。

 

あのラリアットを受けてから先が覚えていない。

記憶が飛んでるな……10年前の衝撃を思い出す。

 

俺の先生、俺の好敵手、俺の目標だった信道さんが帰ってきた。

若い奏も驚異だ。恐ろしく強い外国人まで一気に増えた。

 

しばらく相手には困らないな。ヤマプロに戻ってきて良かった。

このリングでは激しい闘争が俺を待っているようだ。

 

俺の中に燃える闘争の炎で、このリングを真っ赤に染める。

次は負けない。俺の赤を打ち付けてみせる。