Phantom.7 第六試合 習志野 奏 vs ニック・エリオット

 

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試合は終始ニック・エリオットのペースで展開していた。

首への執拗な攻撃がじわじわと習志野奏を苦しめていた。

 

何とか場外へ持ち込んでペースを掴むと、空中技の連発で活路を見出だそうとする奏。

 

しかし、コーナーへの強烈なパワーボムで強引にペースを戻したニックは、次第に危険な大技を連発していく。

 

猛攻を何とか堪え忍び、反撃を試みる奏だが、既に息が切れている。

首のダメージもかなり蓄積されているようだ。巧みな戦術である。

 

最後はニックの必殺技、ロータリーボーリングで首からリングへ垂直に突き刺さした。

奏には、もう起き上がる力は残っていなかった。

 

 

ニックは恍惚の笑みを止めることができない。

いや、隠すつもりは全くない。むしろ見せつけたい気分だった。

 

こんな若くて活きの良い男を、これでもかと痛めつけたんだ。

会場の大観衆だけじゃない。これは全世界に配信されるのだ。

 

最高じゃないか!

 

これぞ俺のやりたかったこと。

俺が見せたかったのはこういうショーだ。

 

金ならいくらでもある。商売の成功なんて俺には退屈で仕方ない。

俺はもっと苦痛に歪む顔が見たいんだよ。屈強であればあるほど良い。

自尊心をぐちゃぐちゃにしてやる瞬間がまた堪らないんだ。

 

ヤマプロは、俺の最高の娯楽空間になりつつあるぜ。

これからどんなショーが繰り広げられるのか、楽しみで仕方ないぜ!