鏡餅に乗せることでも知られる柑橘系の果物「だいだい」をモチーフとした地域密着型のパワーファイター。
華麗な飛び技やテクニカルな技は苦手だが、持ち前の大きな肉体でリング狭しとダイナミックに暴れ回る!
爽やかな笑顔はまさに「だいだい」そのもの。ファイトは風味良く酸味が効いている!
豪快なパワーでどんな苦難も担ぎ上げてしまう、何とも縁起の良い男!
日本有数の温泉街、静岡県熱海市出身の24歳。本名「漣 大航(さざなみ だいこう)」。
駅前より少し離れたところに「なぎさ通り」という商店街がある。その裏路地にひっそりと佇む「喫茶トレビアン」が彼の実家である。店は父が経営しているが、現在は休業中。
観光客向けというよりは、温泉街で働く従業員達が空腹を満たしに集まるような隠れた名店であり、コーヒーはもちろんだが「ナポリタン」が人気のメニュー!なにやら秘伝のレシピがあるらしい。
一時は廃れる一方だった熱海市にて行われた駅前の再開発。
それは市の財政を見事にV字回復させるまでの成果を示した。
しかし、蚊帳の外であった「なぎさ通り」には何の恩恵も無い。
逆に便利な駅前施設に顧客を取られてしまい、今はどの店も閑古鳥が鳴いている。
「トレビアン」も御多分に漏れず、明日の経営もままならない状態。
父は一旦店を閉め、生活のために駅前のカレーチェーン店で働き始めた。
父は長年の立ち仕事で足を悪くしている。加えて、元来無口でぶっきらぼうな性格も災いしてか、あまり上手くいっていない模様。
大航は生まれつき身体が大きく、純真で素直。商店街の大人達からもよく可愛がられていた。
職人肌の父に憧れていて、子供の頃から店を手伝い、料理の作り方も習った。
いつかは店を継ぎたいと考えていたが、静岡県内の公立大学を卒業する頃には店が休業してしまっていた。
店の再開は勿論のこと、昔から育ててもらった恩のある商店街を盛り立てるにはどうすればよいか?
店を継いで盛り立てていこうにもお客さんが来ないのでは仕方がない。
町おこしには宣伝が不可欠だが、大航は文章を書いたり喋ったりするのはあまり得意ではなかった。
事態を受け入れるべきかと悩んでいたある日、テレビの特集で地域密着のプロレス団体が地元を盛り上げている姿を見る。
高校の頃にテレビで観たプロレスに夢中になり、大学では学生プロレスに励んでいた大航。
これなら自分にもできるのではないか?店を継ぐのはもう少し後にして、まずは父が店に復帰できるよう商店街に活気を戻すため、プロレスラーになって商店街の広告塔になろうと考えた。
関東でプロレスラーとしての修行を積みながら団体設立の資金稼ぎに精を出していたが、地元熱海にプロレス団体ができるらしいことを聞きつけるとすぐさま移籍を決意。
団体に所属したのと同時にリングネームを「だいだい」に改名、キャラクター変更を行った。
熱海特産のだいだいには「代々栄える」という意味があり、今後の復興を願っての改名である。
自身が正月生まれでもあることから、鏡餅にちなんで縁起も担ごうという目論見だ。
「なぎさ通り」を宣伝しながら、町の復興のため、「トレビアン」復活のため、今日も「だいだい」は戦う!
「喫茶トレビアン」
熱海市がイタリア・サンレモ市と姉妹都市となった翌年1977年に祖父の国重(現81歳)が開業。
姉妹都市となった恩恵を狙ってのことだったが、友人がテキトーに教えてくれた単語「トレビアン」をイタリア語だと勘違いしていたのは大誤算!ただ、それが逆に話題となった。
様々な職を転々とした経験と、親切でお喋り好きな雰囲気も相まって地元民に人気の店となる。
1998年に息子の博(現55歳)が2代目マスターとなる。
東京の洋食店で修行した博が作るナポリタンは、本格派ながら懐かしさのある深い味わいですぐに人気が出た。
しかし、熱海全体が低迷していっている状況と、無愛想な職人気質も相まって昔馴染みの常連しか通わない店になっていった。
◯FPWNET
https://firepro-w.com/item/detail/230943
◯紹介動画