Phantom.5 第五試合 ツチグモ vs ファントム・ヤマプロ

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最後はファントム・イレイサーでツチグモをガッチリと締め上げたファントム・ヤマプロ

勝ち名乗りを受けた後、珍しくマイクを要求している。

 

「見てくれましたか?これがヤマプロの原点、これが私達のレスリングです。

決して派手ではありませんが、ここには純粋な闘争が、闘いがあります。

これからも根底に流れるものは変わりませんよ。若い選手達にも伝えていきたい。

 

しかし!これじゃあ貴方達は足りないんでしょう?満足できないんでしょう?

 

若手の成長も見せたい。ベテラン達の頑張りも見て欲しい。技術の攻防を見て欲しい。

私達の戦いにはドラマがある。この物語をずっと見ていて欲しい。頑張っています!

 

刺激を産むために色んな選手を呼びました。この新しい血が、新しい闘争を産んでいます。

実力派の外人が来ました。新しい波も取り入れました。女子もジュニアもいるんです。

 

でも、まだ足りないんでしょう?もっと混沌としたものを見たいんでしょう?

 

次はアメリカの大物を呼びます。私の師匠と呼んでも差し支えないでしょう。

彼等を呼ぶんですから大会場での開催でなくてはなりません。大博打です。

 

でもね、約束します。必ずや貴方達の記憶に残る、伝説を起こしてみせますよ。

私達は人生を賭けています。この身体を投げ打って、闘っているんです。

 

騙されたと思って来て下さい。もう二度とこんな事は出来ないかもしれません。

残りの2試合も楽しみにして下さい。物語を紡ぐ大事な試合となるでしょう。

 

私が、いや私達が、現実には無い最高の夢を、いや最高の幻を、見せてやりますよ。

全てはそう!幻なのです……」

 

ファントム・ヤマプロは団体運営の厳しさを知っている。

どこまで話題を作れば良いのか、お金を使えば良いのか。

正解は分からないが、何もせずにはいられないのである。

苦悩しつつも思いつく限りのことをやっていくしかなかった。