ファントム・ヤマプロは怪しげな立ち回りで翻弄し、ツチグモは次々と危険な技を仕掛けていく。
それらを受け止めつつも、躍動感のある激しい攻撃で相手を追い詰めていくソドムとゴモラ。
ゴモラが跳躍力抜群のダイビングヘッドバットを決めれば、ツチグモが必殺の土葬で頭を砕きにかかる。
ファントム・ヤマプロがファントムクラッチでフォールを狙えば、ソドムはジャッジメントで逆にカウント3を迫る。
ヒートアップした戦いの決着は、ソドムのダイビングボデイプレスにツチグモが屈した形だ。
第二試合にも関わらず熱戦を見せた四人に、会場からは熱い声援が贈られていた。
手抜き無しの全力ファイトに、観客の心は大いに揺さぶられていた。
正解でしたね、ファントム・ヤマプロは呟く。
ソドムとゴモラは確かにハードであるが、客の心をよく掴む。
それに相手が答えさえすれば、ここまでの盛り上がりを作れる。
日本のファン好みだなと思う。戦う方はキツいが、心地は悪くない。
客の呼べる選手を獲得できたことはヤマプロにとってプラスでしかない。
今回から大会場を使っているから採算が心配でしたが次も行けそうですね。
ファントム・ヤマプロは頭の中で試算をするのであった。
いいから肩を貸せ、ツチグモはそう呟きながら腕を伸ばしてきた。