Phantom.6 第五試合 穴倉 瞬 vs 葛西 琢磨

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腕をこれでもかというくらい痛め付けられ、タイガースープレックスでカウント2.9まで追い詰められた。

もう一発は食らわない。意地で切り返してからは巻き返しを図る。

一気に攻め立ててからの、タイガースープレックス

 

……ワン!……ツー!……スリー!

 

全てを受け切って勝つことに意味があると信じていた。

かなり危なかったが、完全に俺が勝った試合にしたかった。

この闘争には完全決着、納得できないと終われない気がしたのだ。

 

俺達には熱く、割れんばかりの拍手と歓声が贈られている。

遺恨なんて無い。彼は熱い男だった。それだけだ。

 

俺は握手を求めた。

 

それを見た彼はにらみ返して一言。

 

「お前の輝き、いつか汚してやるからな……」

 

そう言うと、手は握らぬまま足早にリングを降りていった。

あの目、これからも熱い戦いができそうだ。

どうにも今日で終わりにできそうにないな。

いつもより集中していた彼は、間違いなく強敵だった。

 

次はあいつの番だ。過去の清算だと言われているカード。

ちゃんと熱い戦い見せないと嘘だろ。

過去じゃなくて、今を見せないとな。

俺達、今を生きるプロレスラーなんだからさ。

 

俺がしっかり、見届けてやるからな。

その後は……