俺は今を生きる。
過去には縛られない。
熱い戦いを求めてるんだ。
あの人の戦法には付き合わない。
バックを取ったら何も考えず、力一杯投げた。
狙える時は迷わず腕を取って、逆に極めた。
あの人は悲鳴を上げた。
ついてこれないなら置いていく。
追いかけてくるなら、もう一回だ。
誰かがロープを跨いできた。
葛西琢磨だ。
さっきの試合は観た。
奮えるような熱い戦いだった。
やはり俺を熱くするのはお前か。
葛西の差し出す手を、俺は握り返した。
あまり興味ないつもりだったんだが、負けたよ。
お前は俺のライバルだ。学生時代からのな。
ここで決着つけるとしよう。今がその時に違いない。