戦いの中で戦いを知る

前回のイベント「Phantom.1」の成功と、ニック・エリオットからの出資もあり、イベント第二弾「Phantom.2」を開催できる目処はついた。

ファントム・ヤマプロは様々な準備を粛々と進める中、マッチメイクに苦悩していた。今後、継続して客を呼ぶためには前回以上のカードが必要になると考えているのだ。しかし、そんな彼の苦悩など気にする様子もなく、越冬燕一郎は自らの不満をぶちまけているのであった。

 

越冬「師匠!俺もそろそろ得意技を持ちたいです!この前の大会ではみんな若手なのにみんな得意技を持ってて、俺だけが無くて、スゲー恥ずかしかったです。何か俺が一番弱そうでしたよ。俺だって最近そこそこ勝てるようにもなってきました。そろそろ俺も得意技を持って、プロフィールに箔をつけたいですよ!何で俺には基本技しか教えてくれないんですか?(あとダサい名前も変えたい)」

 

ファントム「自分で分かってるんじゃないですか。一番弱そうだって。貴方はポテンシャルはあるとは思いますが、身体も技術もまだまだ出来上がってない。あの大会の他の選手は何かしら秀でたものが、将来を期待させるものがあった。貴方の特徴は、忍耐力です。どんどん受けて受けて受けまくった先に、貴方に合った技が身に付くのです。今はまだ修行の時ですよ。」

 

越冬「でも、ひとつくらいは得意技あった方が試合運びもしやすくなると思うんですよね。勝つにしても説得力が増すと思うし、得意技以外で勝っても相手に失礼だと思うんですよ。(あとダサい名前も変えたい)」

 

ファントム「若手のうちに得意技に頼るのは、苦手科目から逃げがちになるので良くないですね。基本の技だけで試合運びを覚え、展開を作れるようにならないと。基本ができてない方が相手に失礼です。お互い危険ですしね。」

 

越冬「そんなこと言わずに俺にもフィッシャーマンズスープレックスとか教えて下さいよ。カッコイイ技も使いたいんですよ。(あとダサい名前も変えたい)」

 

ファントム「随分と執着しますね。まあ焦る気持ちも分かります。……なら、査定マッチでもしますか?この私と。」

 

越冬「えっ!いきなり師弟対決実現ですか?さすがにまだ越えられない壁ですよ。無理じゃないですか。」

 

ファントム「分からないですよ。若い力は侮れませんからね。勿論勝ったら技を教えるという話ではありません。お客さんを前にした試合の中で、私に成長を感じさせることができたなら技をひとつ、伝授しましょう。」

 

越冬「……分かりました。俺も少しは経験を積みました。師匠が納得のいく戦い、見せてみせます!(名前はまあ今度でいいかな)」

 

第一試合はファントム・ヤマプロvs越冬燕一郎に決定した。果たして越冬はファントムを納得させる試合をすることができるのか?

 

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