Phantom.3 第三試合 グレート・白斗 桃 vs ひばり

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時折エルボーの打ち合いで出方を伺う場面も見られたが、お互いを探り合うような、じっくりとしたレスリングの攻防が続く。
しかし、グレート・白斗桃のドロップキックをきっかけに、飛び技を交えたスピーディーな展開へと試合は切り替わった。目まぐるしい攻防ではあるが、ややひばりがやや優勢に見えた。コーナーポストから必殺の揚げ雲雀も繰り出したひばりだが、ロープ際のため決めることが出来ず。

劣勢の中、流れを変えたのは一発のシャイニングウィザードだ。これでひばりの動きが鈍くなると、桃は大技のラッシュ。お返しとばかりに必殺のとれたて☆シューティングスタープレスを敢行したものの、こちらもロープが近い。

観客の盛り上がりが最高潮の中、ひばりは流れを変えようと場外へラ・ケブラーダでダイブ。しかし、それを受け切った桃がとれたて二連発!これにはひばりも返すことが出来ず、試合は決着となった。

 

会場からは惜しみない拍手が両者に贈られている。

拍手喝采の中、ひばりはマイクを手に取った。


「ハァ、ハァ……くっそー!私は、アンタに負けてすっげー悔しいよ!……でも。でもね、アンタ強かったわ。今日のところはね、素直に負けを認めるよ。アンタが司さんにね、師匠に弟子入りするのもね、認めてやるよ。あとね、私、思ったんだけど……桃。やっぱりなんか似てると思うわ、私と。桃……今日からはね、私は桃をライバルだと認めるよ。そしてね、同じ先生を慕う仲間でもあるわけよ。桃、今日から一緒に頑張ってさ、お互いを高めていこうよ。そしてさ、強くなったらもう一回、戦いましょう。」

 

それを聞いていた桃は、ひばりに歩み寄るとマイクを受け取った。

 

「ひばりちゃん、今日はありがとう!とっても強かったよ。途中、バンバンやられて、何度もくじけそうになっちゃったんだけど、なんか負けたくないって気持ちがね、ブワーって湧いてきたんだよね。つまりこれってさ、ライバルってことなのかな?いつもより自分にガンバレーって言うことができたんだよね。そのおかげで今日は勝てたけど、次はわからないかも。私はもっと強くなりたいと思いました。これから二人でさ、もっともっと強くなれるよう特訓しよう。そしていつかまた、もう一回だよね!ひばりちゃん、これからよろしくね!」

 

二人は握手を交わす。二人のライバルストーリーは始まったばかりだ。しかし、袖から試合を見ていたファントム・ヤマプロは、二人の思惑とは違うストーリーを思い描いているのだった。