熱波猛はやれることをやり尽くした。
しかし、信道進は全てを受け止めた。
何度打ち付けても信道は起き上がる。
息が上がった所で熱波はバックを取られる。
信道必殺のグレコローマン・バックドロップが熱波に炸裂!
意地で立ち上がるも、すぐさまパワーボムで叩き付けられた。
最後、たった二発の畳み掛けで熱波は敗れた。
善戦はしたものの、これが力の差であった。
セコンドについていたガウル重田がマイクを持ってリングに上がる。
「熱波!なかなか良い根性してたじゃないか。
団体トップの一人とここまでやり合えたんだ。大したもんだ。
しかしな、これが実力の差だよ。お前なんてまだまだだ。
でもお前才能あるよ。お前に足りないのは肉体を活かした技だ。
どうだ、俺達と一緒に来ないか?俺達は今日、ここに軍団を作る!
俺達の持ってる昔から受け継がれてきた技、若者に伝えたいんだ。
それを身に付けてトップを目指せ!古の技ここにあり、だよ。
さあ、俺達と組もう。共にトップを掴もうじゃないか。」
重田は熱波に手を差し伸べる。
熱波は目をギラギラさせながら、その手を握った。
「よろしくお願いします!」
マイクは通さずに熱波は叫んだ。
「よし、頼むぞ熱波!さあお客さん。私達は軍団を作ります。
この四人で我らオールド・スクールが発足、スタートです。
いまヤマプロのリングにいるユニット全部が標的です。
全てを倒し、この古き良き技の栄光を取り戻して見せましょう!
メンバーは更に増えるやもしれませんぞ?こう御期待!」
会場からはまばらな拍手が帰ってきた。
まあ、仕方無い。ビジュアルは確かに弱い。しかし、力が全て。
真の実力を見せていけば、いつかお客もついてくるはず。
重田はそう言い聞かせ、拍手に手を振って応えていた。
まだまだ老け込むつもりはない。人生はこれからだ!