死力を尽くした戦いを制したのはシュプリームだった。
ニック・エリオットはマイクと通訳を要求している。
「見ての通りだ!
今日は俺達の二連勝、実力通りの結果を見せたんだ。
前回は調子が狂って二連敗してしまったがな。
これが本来の、順当な、正当な、実力差なんだよ。
俺達は誰だ?シュプリームだ。至高の存在だ。
それがお前たちのような奴等に負けるわけがないんだ。
だがな、俺は気にしているんだ。前回負けてしまったことをな。
あの負けを取り戻さないと気が済まないんだ。
お前らだってそうだろ?納得いってないだろ?
観客だって納得いってないはずだ。俺は全員に認めさせたい。
なあ、次の大会、俺達の決着戦といこうじゃないか。
総力戦だよ。全員で死闘を繰り広げるのさ。
それこそ命懸けでな。それぐらいやらないと熱くならない。
賭けるんだよ、大事なものを。お前達は……絆か?
ならば決まりだ。お前らは負けたら解散しろ。
俺達は本気だ。お前達はどうなんだ?逃げるか?」
長谷川修二もマイクを握る。
「よく喋る奴だ。だが、認めさせたいのは俺も一緒だ。
いいだろう。俺達はそれを賭けよう。お前らはどうだ?
お前らは騒がしい。負けたら、このリングから追放だよ。
俺は危険な赤だ。お前達を夜へと送る夕陽となるぞ。
お前達こそ逃げるなよ。俺は、本気だ。」
通訳を聞いたニックはにやつきながら、リングを引き揚げていく。
クリムゾン・クランは解散をかけて、
シュプリームは追放をかけて戦う。
観客の前で行われた思わぬ展開は覆しようがなく、
今後の展開を新たに練り直すしかなくなってしまった
ファントム・ヤマプロなのであった。