Phantom.5 第四試合 葛西 & トルメンタJr. & トルメンタSr. vs 行徳 & 瞬 & 想

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最後はトルメンタ・ラナで、トルメンタJr.穴倉想からスリーカウントを奪った。


それを間近で見ていた行徳は、しばし想を見つめていたが、やがてリングを降りてマイクを要求した。

 

「想さん。アンタこの様で何をやるって言うんだ?

あんな戦いぶりで主役になる?無理に決まってるだろ。

 

アンタはあの過去から止まったままだ。だから負けた。

問題と向き合わずにさ、ただ逃げているだけなんだ。

 

でもな、俺だって過去に縛られてるんだよ。悔しかったんだよ!

アンタは俺を縛りつける元凶でもある。俺は振り切りたいんだ。

 

シングルだ。

 

俺とシングルで戦え。お互いの全力、出し切ろうじゃないか。

口じゃない。力で示すんだ。それがファイターだろう?

俺はアンタのおかげで俺が縛られてる事に気付いたよ。

アンタだって縛られてる。解放されようぜ。お互いにな。」


想はの方の肩を借り、首を押さえながら黙って聞いていたが、

全て聞き終え、会場を見回し、行徳からマイクを奪い取った。

 

「お前さ、随分と今日は喋るじゃないか。キャラ変か?

好き勝手言ってくれたな、おい。お前に何が分かるってんだ?

今日の敗けはな、たまたまだよ。縛られてるだ?ふざけるな。

 

だがまあ、俺の事を見る奴は皆縛られてるのかもしれねぇ。

全員俺の事を戦犯だと思ってるんだろう?俺を笑ってるんだろう?

どうせ俺なんて使い捨ての選手さ。お前は良いよなぁ。

 

止まっているのはお前らだ。問題に目を背けてるのもお前らだ。

お前らの目を覚まさせてやる義理なんて俺には無い。

だが、俺がスターダムにのしあがるには必要な戦いだな。

お前との共闘。諦めちゃいないが、まずは餌食になってもらう。

次のシングル、お前に真のプロレスを見せてやるよ。」

 

それを聞いた行徳は頷き、ひとりで会場を引き揚げていった。